第55回(2021) 佳作 渡邊あみ
●青いマフラー 渡邊 あみ いつも喧嘩ばかりしていても 心は繋がっているものなのだと言う 言ってはいけない二文字を言っても二人は 今日も明日も昨日のように暮ら…
●青いマフラー 渡邊 あみ いつも喧嘩ばかりしていても 心は繋がっているものなのだと言う 言ってはいけない二文字を言っても二人は 今日も明日も昨日のように暮ら…
●母のミシン 小田 凉子 使わなくなったミシンありませんか ある日 電話の声が尋ねてきた そう言えば 押し入れに 母のミシンが長い間眠っている 五人姉妹だった…
●羽化 生田 麻也子 歳をとり 丸くなる背の中で 飛び立つ為の羽が育つ 腕はたるみ 風を抱き込み 味方につける準備をする 骨は軽くなり 助走のいらない羽化に …
名前 吉岡幸一 「あなたの名前を教えてください」 照りつける真夏の太陽のした 母は庭のひまわりを背にして言いました クルミのような丸い瞳をして まっすぐに僕を…
●総評 高齢化社会の中の人間 柴田三吉 コロナ下で詩人会議事務所が使えないため、選考会は上野文化会館の応接室を借りて行いました。 まず詩部門は一次通過の八七篇を…
◎第55回詩人会議新人賞 詩 部 門 ■入選(賞状・副賞五万円) 吉 岡 幸 一 名前 ■佳作(賞状・副賞一万円) 生 田 麻也子 羽化 小 田 凉 子 …
◎目次 特集 走る 泳ぐ 五輪 佐々木洋一 フダン 4 北島理恵子 ちゃふらふすか 5 織田英華 国道 6 宍戸ひろゆき 走る心理 7 白永一平 走る走る…
●自由のひろば 2021.4月号 落ち武者 ゆきのさきこ この辺りが古戦場であったことは知っていた 四十年前子供二人連れて引っ越して来た ある夜目を覚ますと 部…
●目次 特集 三月 生きる 瀬野とし 新しいノート 4 秋野かよ子 死ねない 春 5 佐伯徹夫 三月を歩く 6 呉屋比呂志 人の頭が見えない 7 小田凉子…
●自由のひろば 2021.3月号 ヒコクミン ひだかよし 会うたびにしなやかに成長している 孫たちの姿 それに元気をもらいながら 心の自由がなかった時代の …
●もくじ 特集 コロナ 冬 文化 柴田三吉 しらせ 4 熊井三郎 金婚式 5 上手宰 二波 6 杉本一男 マスク 7 笠原仙一 待つ 8 斎藤紘二 深い…
●2月号 自由のひろば作品 そっぽ 岡村直子 いつのまに まわりにひとがいなくなった かくれんぼのように わたしだけがのこった だれもが じぶんのことで せいい…
●もくじ 特集 海外詩 西サハラ 西サハラとパレスチナの間 ――西サハラ政治囚への連帯メッセージ 長沢美沙子 52 アメリカ アメリカ日系移民の詩と人…
●1月号 自由のひろば作品 フレームアウト 木崎善夫 こんなところに空がある 水たまりに映る空がある 察するに上空は……晴れ 察するに青い……碧い……空 …
●もくじ 新春作品特集 谷川俊太郎 おとなしいおに 4 草野信子 眠り 5 照井良平 百年やぁーい 6 渋谷卓男 卯の花 7 柴田三吉 はぜる種 8 安…
研ぐ 北川ただひと 砥石を行き来する 錆びた肥後守 力をいれて研げば 錆が茶色に溶けていく 油断などとはいうまい 忙しさにかまけたともいうまい ほかでもない …
わたしという存在 むらやませつこ 台所の流しの隅で ナメクジがじとっと動いている すろうもうしょんで動いている 貼りつくように動いている 歩いた跡がぬめりぬめ…
●もくじ 二〇二〇年全国詩誌代表作品集 北海道・東北 阿字 佐野のり子 鳥 6 北の詩手紙 藤村美樹 そらまめ。 6 斜坑 たもじゅんこ 秋の手紙 7 新詩脈 …
●自由のひろばトップ あおぞらの詩 小篠真琴 あおいろのそらの向こう側 太陽がうつむき加減を失くしていくとき きみは、あおいそらの切れ端を くちびるで押さ…
特集 港 基地 沖縄 芝憲子 基地ある街で 4 柴田三吉 辺野古 5 いいむらすず 海とシラスと汚染水 6 青木みつお ウマとクラスター 7 田辺修 横須…