2023年1月号 創立60周年記念 新春作品特集
創立60周年記念 新春作品特集
谷川俊太郎 ひとりでこの世に
こまつかん 思索・詩作
石川逸子 森のなかで
瀬野とし 文鎮
河津聖恵 鏡
芝憲子 ウクライナが憲法に
冨岡悦子 ウォーキーのためのレクイエム
草野信子 花の便り
網谷厚子 日本晴れ
佐川亜紀 蝶の新聞
佐々木薫 原始人
うえじょう晶 風を感じて
三田洋 戦争家族
呉屋比呂志 流離の果て
伊藤芳博 燃える雪
柴田三吉 パンデミア
齋藤貢 見えない雨
木村孝夫 白地地区
中村純 若い人
伊藤眞司 沖縄の骨
南浜伊作 海へ
立原直人 ホットライン
青木みつお ランタン谷紀行
目次ゆきこ 春へ
宇宿一成 約束
前田新 結成六十年の通過点に立って
八木忠栄 向春
はなすみまこと 時は流れても
本多寿 薄明
鈴木太郎 虚子憧憬
日原正彦 囀りの朝
おおむらたかじ ねんがけつれい
林嗣夫 わが方丈記
照井良平 R・TERUI肺の呼吸音
杉谷昭人 初霜の朝
みもとけいこ 「それ」の棲む村
沢田敏子 冬薔薇
野口やよい 初詣
秋亜綺羅 おめでとう
佐々木洋一 きたないもの
中原道夫 蛾
坂田トヨ子 夕空の記録
中井ひさ子 旭荘から
高田真 鐘楼堂
中上哲夫 詩の話なんかいいんだ
黒鉄太郎 遠山信男さん
青木由弥子 虹が見えるよ
熊井三郎 終活々
小田切敬子 未知は続くよ どこまでも
塚田英子 生きる
上手宰 二客
松下育男 生きてみようと思った
創立60周年によせて
灯火を継ぎ世代を継いで発展を 岡本厚
『詩人会議』創刊60周年に想う 桜井国俊
感謝にアリガットとルビ添えて 伊奈かっぺい
二〇二七年の軍国主義と詩人会議の勇姿 金子勝
祝辞
石川逸子 緒方靖夫 齋藤貢 杉谷昭人 中上哲夫 松下育男
詩人会議と私
青木みつお 秋村宏 あべふみこ 伊藤眞司 うえじょう晶
宇宿一成 大西はな おおむらたかじ 小田凉子 小田切敬子
上手宰 彼末れい子 河合恒生 神流里子 北島理恵子 北村真
木村孝夫 草野信子 くらやまこういち 黒鉄太郎 後藤光治 こまつかん
今後の抱負
三浦健治 洲史 柴田三吉
呼びかけ
詩人会議創立60周年記念詩華集『ことばの力によって』(仮題)へご参加ください!
書評
宇宿一成 浜本はつえ詩集『海に返す』 武田いずみ詩集『迷路屋』
中村明美小詩集
e-pronto/あんぱん/成年後見人/今生のこと
地下室の窓 核兵器と「悪い予感」 徐京植
詩作案内 わたしの好きな詩 小野十三郎 大道和夫
詩作入門 時間も空間も越えて 高嶋英夫
私の推す一篇 2022年12月号
現代詩時評 「空いた椅子」と「空いた席」 北村真
詩 集 評 「世界は いくつも重なっていて」 北島理恵子
詩 誌 評 感じます、歴史と詩人の仕事 黒鉄太郎
グループ詩誌評 暮らしの足元から あらきひかる
自由のひろば (選・坂田トヨ子/中村明美/南浜伊作)
木崎善夫/加澄ひろし/cofumi/乾茂雄/
大木武則/橋本敦士/内海拓郎/佐藤一恵/
壱貫享治/永瀬つや子
新基地建設反対名護共同センターニュース
詩人会議通信
読者会報告 12月号 小田凉子
●表紙/扉カット/表紙のことば 冨田憲二
編集手帳
●新春作品特集
思索・詩作
こまつかん
出来事を取り巻いているものの間を
かきわけて歩むと
後方に
言の葉の吹き溜まりができることを
ぼくは知っている
この宇宙の銀河の
地球にできたひと筋の道は
人々の踏み分け道だ
地上に渦巻く大気には
暮らしのことばが満ちあふれ
歩けば足の裏をくすぐり
寝転べば背中をくすぐる
物事の
実相は海面にも触れ
海面は大気にも触れ
大気は銀河にも触れている
だから渦巻くものはあなどれない
大気は人々の思索に満ちあふれて
思索は人々の二本の足に絡みつき
二本の足は地球を支えているのだ
絡みついたものは
いつかはほぐれて
ことばを紡ぎ
ひとつの詩になる
……と
地上に生きるぼくは
詩では稼げないが
夜々の夢を食い破り
詩を書いて
暮している
●編集手帳
☆新しい一年の始まり、本年もよろしくお願いします。地上では人間の愚かな行いにより、さまざまな危機に直面していますが、それでもこの星は何事もないように太陽をひと回りしてきました。その恒常性に改めて感謝の念を抱きます。
☆星の営みに比すれば、詩人会議の歳月はわずかですが、人間の営みのなかでの60年は稀有な到達でしょう。この間、私たちはつねに理不尽な現実と闘ってきました。人間性の豊かな発展を願いつつ、いま、これまでの歩みを寿ぐことも許されるのではないでしょうか。
☆今号には日頃お力添えをいただいている、岡本厚、桜井国俊、伊奈かっぺい、金子勝、石川逸子、緒方靖夫、齋藤貢、杉谷昭人、中上哲夫、松下育男、各氏より温かい励ましのお言葉をいただきました。また詩作品では、谷川俊太郎氏をはじめ、会外の皆さまから魅力的な作品を多数お寄せいただきました。ここに厚くお礼申し上げます。
☆「壺井繁治論」は誌面の都合により二月号に掲載いたします。(柴田三吉)