2022年7月号 特集 短詩――112人集

2022年7月号 特集 短詩――112人集


特集 短詩――112人集
青井耿子 連れて来い
青木みつお 古い版図
秋村宏 友
秋乃夕陽 訪れ
あさぎとち 悪者
飯泉昌子 願い
いいむらすず 不断の努力
池島洋 生きる
石木充子 気づけば
石関みち子 夢は
いしだひでこ 瑠璃色の再生
伊藤公久 おくすり
伊藤眞司 生命
乾茂雄 山恋
妹背たかし 侵略
いわじろう あるじゃあないか…
植田文隆 いつの日か
上野崇之 遠い昔のはなし…ではなくて
梅津弘子 平和は自分たちの手で
浦西登 樹
江本洋 ソメイヨシノ
遠藤智与子 夜
大嶋和子 死ぬときは
大西はな ことばの壁なんど
おおむらたかじ ああ、メーデー
小田凉子 茜空
小田切敬子 初夏のつるみがわ
加藤三朗 可視化
加藤徹 叫び声を
上岡ひとみ いつもの朝
上手宰 おてつだい
神流里子 孫娘に
彼末れい子 類語辞典
北沢美佳 未来
木村孝夫 十一年
救愛 息子よ
草倉哲夫 旅
熊井三郎 さしず女房
小泉克弥 已むに已まれず
吉野兼 混芽
小林その 何色も揃ったリボンがほしい
こまつかん われわれ
斎藤彰吾 百年桜
西明寺多賀子 ナムアミダブツ
坂田トヨ子 しっぽが
桜陽 ひだまり
桜井くに子 マトリョーシカ
佐藤一恵 光のタクト
佐藤和英 幸福のように
志田昌教 認知症?
宍戸ひろゆき 希望
玄原冬子 三月
芝原靖 夜は朝のために
清水マサ 夕焼け
白根厚子 春がやってくる
新間芳子 明日まで
菅原健三郎 穴があいた日々
杉本一男 夢をみる
鈴木太郎 ごがつのかぜ
鈴木宏幸 消失点
瀬野とし 哀しい車
平等稲雄 僕は何をしよう
平久悦 春の陽だまり
平由美子 消えた春
高嶋英夫 朝読
田上悦子 新統一主義
立会川二郎 転向から恭順へ
田辺修 タンク地獄
田畑悦子 雪えくぼ
玉川侑香 むなしい
檀允心実 炭酸の夢
千葉昌秋 パンドラの箱の底から
都月次郎 うっ くらいなあ
照井良平 ポニー牧場の主
床嶋まちこ 若いのは今
斗沢テルオ 地球大戦
永井秀次郎 山
中林千代子 春の憂鬱
新見かずこ 希望のある暮らしを
野川ありき 個
狭間孝 「戦争」という手話
河合政信 岸田くんの約束
橋本健治 龍はどこにいる
ハマダ・テツロー あなたの顔
春街七草 改めて感じた事
柴田三吉 うつわ
春山房子 ありがとう
古久保和美 幸せのクローバー
平和ねんじ いま
細田貴大 通学
まえだ豊 世界の立つ大将らは
松村惠子 肩すかし
はなすみまこと 新芽
水崎野里子 短詩試作
光谷公男 春
南地心爽 仲間
南浜伊作 鉄橋で
呉屋比呂志 二〇二二年三月ウクライナ発テレビ画面
宮本勝夫 温故知新
村瀬継弥 家族の花見
目次ゆきこ 願う
森田和美 悲しみ
安川登紀子 ひとは
坂杜宇 若葉
山崎由紀子 日本橋散歩
山田みとり 遺作
山田よう ロシアの侵略
吉村悟一 ぼく9条の目
洲史 欅
白石小瓶 商売
塚田英子 命
中村明美 統計的詩論

第33回総会報告
文書による総会の試み  第32回総会事務局長 南浜伊作
詩を広げる取り組みを  第33回総会事務局長 洲史
「詩人会議」誌の充実、発展に向けて――会員、会友、読者の皆さまへ  第33回総会編集長 柴田三吉
編集の抱負  編集部員 地域編集委員
ともに詩の基盤を  第33回総会運営委員長 三浦健治

第56回詩人会議新人賞  評論部門・入選
パウル・ツェランのいない世界で――「帰郷」をめぐって 石橋直樹

詩人会議グループ詩詩誌作品集16誌  選 秋村宏
安仁屋眞昭 海岸の闊歩
田崎以公夫 おしゃべり
國森伸 果樹を植える
合田博之 あの日のみんなへ
永瀬つや子 無花果
坪井あき子 ことば遊び
大場百合子 私を
平田正昭 遠い昔
斉藤明典 ヒガンバナ
刀根蛍之介 新入社員のストライキ
吉田豊 煙
のざきつねお 姉との別れ
浜本はつえ 海に返す
大原加津緒 いきしちに
樋野修 ホテル・オールド・ジャパン
小野啓子 綿毛


小川桂子 沖縄は沖縄のもの
見る・聞く・歩く 清水真理

書評
宇宿一成 北村真詩集『朝の耳』 大西はな詩集『誰かが呼ぶ』
佐々木洋一 中林千代子詩集『名づけながら』 いいむらすず詩集『海とシラスと汚染水』

ひうちいし
原圭治 河野俊一 小泉和美 狭間孝 戸田志香 横田重明 都貴美夫 池田正彦 熊井三郎

上山雪香小詩集
夫婦の不思議/雨の故郷/白い月/赤信号で/虹

詩作案内
わたしの好きな詩 宮沢肇  水衣糸

詩作入門
夜星川  宇宿一成

私の推す一篇 2022年6月号

現代詩時評 王はいっとき民は千年 立原直人
詩  集  評 シンボルスカを本棚から 魚津かずこ
詩  誌  評 「氷山」のような詩の創作を 後藤光治
グループ詩誌評 痛み・怒りを、体現し書く 河合政信

自由のひろば (選・おおむらたかじ/草野信子/都月次郎)
大木武則/加澄ひろし/村口宜史/天王谷一/村田多惠子
/ゆきのさきこ/三村あきら/橋本敦士/有原悠二/和田平司

新基地建設反対名護共同センターニュース
詩人会議グループ一覧
詩人会議通信
●表紙/扉カット/表紙のことば 宮本能成
編集手帳
読者会報告 6月号


●短詩

連れて来い   青井耿子
春よ来い、早く来い
ウクライナに平和を連れて来い。
核爆発のない世を連れて来い。
季節巡って、
傘寿、米寿。祝いの年も連れて来い。

 

古い版図   青木みつお
古い版図の愛称はウラジーミル
アラジンのランプといっていい
黒は白 闇は光になる
民衆は踊ればいいのだ
誰もこの快楽を知らない

 

友   秋村宏
風はどこへ行くのだろう
その終わりにはなにがあるのだろう
そう話してくれた人はいない

 

訪れ   秋乃夕陽
春の訪れは誰の心をも弾ませる
名もなき花は顔をのぞかせ
白くて柔らかな笑顔を見せる
暖かくなりつつある日差しとは裏腹に
未だ肌寒い大気に体を震わせながら


●編集手帳

☆今号より新編集部がスタートしました。私自身は30代のとき、8年ほど編集の作業に携わりましたが、今回は編集長を引き受けることとなり、その重責に身が引き締まる思いです。
☆本誌は長きにわたって、秋村宏さんに牽引してきていただきました。とりわけ新型コロナのパンデミックが始まり、編集会議も開けない危機のなか、毎号、充実した誌面を作っていただきました。そのご負担と苦労は大変なもので心より感謝申し上げます。また、自宅で校正等の作業をされてきた前編集部の方々、事務所の機能を守り、実務を担われてきた高橋和子さんと山崎由紀子さんにも感謝の言葉を贈りたいと思います。この間、本誌が順調に発行できたのもこれらの方々のおかげです。
☆編集方針にも書きましたように「地域の編集委員」を創設しました。各地の会員にお願いしたところ、多くの方から積極的なご参加と、温かい励ましの言葉をいただきました。早くも複数の企画案が寄せられ、順調なスタートとなっています。これらの提案を活かし、今後も魅力的な誌面作りをしていきたいと思っています。
☆第33回総会を前事務局長の南浜伊作さんから報告していただきました。課題は山積ですが、三浦健治運営委員長、洲史事務局長の展望を踏まえ、詩運動の充実と発展に向けて、会員・会友の力をさらに結集していきましょう。
☆新人賞・評論部門入選の石橋直樹さんは20歳の俊英。パウル・ツェランの強制収容所体験と詩を中心にして「失語」の意味、自らのものではない死を語ることは可能なのかと問う、真摯で哲学的な考察です。じっくりお読みください。
☆特集は恒例の「短詩」です。5行という制約のなかに、作者の凝縮された世界とさまざまな思いが描かれています。現在ロシアによるウクライナ侵攻という異常な事態が続いていますが、これらの作品にも暴挙への厳しい批判があります。この問題の本質をさらに考えていくため、次号では「現代の戦争」を特集します。
(柴田三吉)

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