第46回(2012) 詩部門佳作入選 紫水菜
詩部門佳作入選 紫水菜
1994年、愛知県出身。大阪府立高校在学中。
受賞の言葉
風の色が変わり、雨の後の土の香は五月を重くする。静かな部屋で一人目を閉じると、疲れを引きずる夕日の残像と放課後の校庭のざわめきが、ふっと体によみがえる。
心に沁みる一瞬。
その中にはいつも生命の息吹がある。そして昨日も今日も明日も、それが煌くたびに、ろ過することのできない激情が虹色の光となってこの心臓を突き破り世界を鮮やかに染めるんだ。
ーーそしてもし言葉にも生命があるというのなら、私はその輝きをこれから先も信じ愛する者でありたいと思う。