Carol Kei「庭への路」
庭への路 Carol Kei
最初は小さな願いだった
普通に外に出られたらと
ドアの向こうの自由に
視線を集中し
悪魔の襲撃の終わりの
庭の香りは天国だった
次は電車に乗ってみたいと
野心を燃やして
窓から見た走る景色は
人生が始まったかのようだった
もうもっともっとは止まらない
次の目標は仕事を得ること
その次はこれだけ稼ぐこと
その次はその次はと
気づけば今度は不満が止まらない
健常人みたいに
あれもこれもできない自分に
愚痴が腐り
あの庭への行き方が
分からない
あの香りを忘れずにいればなぁ
あの香りを忘れずにいたならなぁ