2024年7月号 特集 短詩120篇
特集 短詩――120人集
藍原ゆみ いのち
青井耿子 千羽鶴の願い
青木みつお 光と影
秋野かよ子 独り言
秋乃夕陽 構想
あさぎとち ふきのとう
あべふみこ どこかで春
あらきひかる つがい
飯泉昌子 麦
いいむらすず ちょっと待て
池澤眞一 いいんですか
池田久雄 場
石関みち子 白い風
石田百夏 三匹の蝶
伊藤眞司 海べりの途
乾茂雄 詩を書く人
妹背たかし 闇
いわじろう 居直っても
岩根英則 米をつくる
植田文隆 譲れない
宇宿一成 深呼吸
梅津弘子 教科書は先生が選んで
浦西登 樹
大木武則 風
大西はな 生きぬく
おおむらたかじ 雪割草
荻原梨絵 イエルモ
奥田史郎 ウラガネェ ウラガナシ
小田凉子 お・は・よ・う
加藤三朗 い・の・ち
上岡ひとみ 憧れている
上手宰 春の林
上山雪香 呟き
彼末れい子 悲しみをためる
河合政信 肩の
かわかみよしこ カタクリの花
神流里子 お腹においで
北島理恵子 流れる
北村真 木との対話 Ⅱ
救愛 愛情区分
工藤美香 記念日
熊井三郎 古刹般若寺
黒鉄太郎 管理の川
小泉克弥 お客様はホトケ様
古野兼 働く車大集合
小林信次 新しい花
小林その 生れる
こまつかん 未来へ
呉屋比呂志 その姿、盗人猛々しい
斎藤彰吾 潤い
西明寺多賀子 ゴムの木
坂田トヨ子 羽化する
佐川亜紀 すいか
桜陽 冬のキュウリ
桜井くに子 詩人への憧れ
櫻井美鈴 呼び名
佐藤和英 Crux alba
佐藤誠二 それでいいのだ
里崎雪 書くこと
宍戸ひろゆき 負けるが価値
玄原冬子 街角ポスト
柴田三吉 希望
洲史 食糧自給率 三十八%
清水マサ 北京大学
新間芳子 だるまさん
杉本一男 碑と花と
清野裕子 月の時間
瀬野とし 生
平等稲雄 戦争時代
高嶋英夫 子どもの絵
高田真 不意打ち
髙橋宗司 雪柳
高細玄一 予感
たからきれい だから笑ってくれ
武田いずみ 花瓶
田島廣子 畑で野菜果物づくり
田中茂二郎 老詩人と少女
たなかすみえ 雨
田辺修 縫い目
田畑悦子 鴉
玉川侑香 せんそう
照井良平 認知
床嶋まちこ お姉さん
斗沢テルオ 勇気
刀根蛍之介 イキシア
豊田智慧子 うつ にもがく
永井秀次郎 発狂
永冨衛 かわいいね
中村明美 花雨
永山絹枝 夏雲
奈良玉枝 タツナミソウ
野川ありき 食
野口やよい 蝶々
狭間孝 あと十年動く時計をください
橋本敦士 帝国の子
畑中暁来雄 恐世界戦争
八田和代 ショック
はなすみまこと 私の会費
ハマダ・テツロー アッと驚く為五郎
春街七草 もし、選ぶとしたら
春山房子 スリムになって
坂杜宇 憲法九条
府川きよし あした
古久保和美 正三角形の屋根の家々
平和ねんじ 夏草
まえだ豊 これで良いのか
松村惠子 健康診断
丸山乃里子 楔
光谷公男 子どもの日
南浜伊作 謹告
三村あきら 悩み 迷う
やはぎかのう 帰巣
山崎由紀子 リフレッシュ
山﨑芳美 裏山紀行
山田みとり 現場から
山田よう 十八才になったら
横田重明 変形性股関節症
横山ゆみ 笹舟
和田平司 蝸牛
わたなべとしえ 桜が散って
小特集 シネマ・誌上名画館
伊藤眞司
藍原ゆみ
加藤徹
上手宰
草野信子
熊井三郎
小林信次
こまつかん
呉屋比呂志
榊次郎
佐藤和英
佐藤誠二
玄原冬子
渋谷卓男
清野裕子
たなかすみえ
檀允心実
斗沢テルオ
永冨衛
野口やよい
狭間孝
柳瀬和美
山﨑芳美
横田重明
書評 佐々木洋一 木村孝夫詩集『持ち物』
宇宿一成 八町敏男詩集『水のモニュメント』
ひうちいし 福山健一 小田凉子 石関みち子 鎌田建 青井耿子・崇浩 湯浅きいち
見る・聞く・歩く たなかすみえ
私の推す一篇
木村孝夫小詩集 絶対はない/砂浜/風
詩作案内 わたしの好きな詩 金子みすゞ 古野兼
詩作入門 日々の暮らしのなかで 松村惠子
現代詩時評 H氏賞・現代詩人賞のあれこれ 後藤光治
詩 集 評 「その日 その日を迎える朝の」 北島理恵子
詩 誌 評 砂漠に、花を。え? 黒鉄太郎
グループ詩誌評 作品もまるいのだ 河合政信
自由のひろば 選・南浜伊作/坂田トヨ子/中村明美
上野崇之/石川小傘/坂田敬子/チサトモリベ/大木武則/有原悠二/永田豊
詩人会議通信
読者会報告 6月号 坂田トヨ子
表紙のことば 山本明良
編集手帳
●短詩
いのち
藍原ゆみ
若葉の季節を迎えた伊那谷を見晴らす
大きな栗の樹よ
少しずつ枯れた枝が切り落とされて寂しい樹冠
いま 一枝として芽吹く気配のない姿
胸が つまる
千羽鶴の願い
青井耿子
私のおばあちゃん、奴さんも折れるようになった。
私はうれしい。だって私は千羽折ってもらっても
だめだけど、奴さんは一人でもしゃべることができるから。 私の願いもね。
〝武器使用・製造・輸出反対、世界中の平和を守って〟と。
光と影
青木みつお
お化け屋敷に
外光を差し込むと
亡者だらけだった
希望が生まれる余地がない
亡者の退場は近い
独り言
秋野かよ子
そろそろと 80の手習い事に夢見する
かじかむ頭と指を ムカデの手に習い
モゾモゾと サワサワと
ピアノか 語学をやろうかな
●編集手帳
☆恒例の「短詩」特集をお送りします。さまざまなテーマで書かれた120篇を掲載しました。5行という制約の中に込められた作者独自の思いは、それゆえポエジーが凝縮されていて詩の原点を見るようです。岩根英則さん「米をつくる」の〈……時給10円になろうとも/米をつくる〉に胸を打たれます。
☆小特集は「シネマ・誌上名画館」。古典の名作から最新作まで、映画館で見て心に残った作品の魅力を1ページのエッセイで書いていただきました。24篇、未見のものもありますが、タイトルを眺めているだけでも心が弾みます。各々の執筆者が感銘とともに紡ぐ言葉を読みながら、映画はまさに詩のきょうだいだと思うのでした。詩を書く者の多くが映画館に通い続ける理由でしょう。
☆六月二日・三日「第三十四回詩人会議総会」を開催します。会の財政はいまだ厳しいですが、会外からの期待はますます高まっています。会員・会友の皆さまの知恵と力を集め、希望ある未来を切り開いていきたいです。(柴田三吉)