1963年1月号 編集ノート
編集ノート
去年の五月一四日、ぼくの家 に若い詩人の赤木三郎、小田切清光、門倉訣 君たちが集ったのを機会に、一つ詩の雑誌をだそうではないかという話がもちあがり、それから七、八ヵ月ぶりでやっと創刊号がでる運びになった。第一号は表紙とも僅か三六頁のささやかな雑誌であるが、ぼくたちはこの雑誌に大きな希みと期待と課題をかけてい る。それはグループのアッビールをよく読んでもらいたい。
差当りは同人雑誌で、あまり資金もないが、まず内容を充実して、たんなる同人雑誌から日本社会の現実の広場にでてゆき、多くの読者の忌憚ない批判にこたえながら、この雑誌こそ、「われわれの雑誌だ」というところまでもってゆきたいと思っている。
この雑誌では同人といえども、厳密に作品を検討する。そのかわりに一般読者の作品もどんどん歓迎し、日本の現実の底辺に潜んでいる詩の鉱脈を発掘することに力をいれる。われわれは前にのべたように資金にとぼしいので、いくらでもよいから、この雑誌発刊に賛成の方々のカンバをお願いする。 (壺井繁治)
これはみなさんの雑誌です。みなさんの積極性と力の集中がほとんど唯一の基盤です。グループの一定の見解についてはご存知のとおりですが、雑誌作りその他の事業をつうじて巾ひろいものをめざしていくつもりです。
地方の同人の方々は、読者会とか各地方詩人会議など、少人数からでも身近かに組織していくことを考えていただきたいと思います。私たちは一日も早く、ちいさな同人組織からぬけだして全国的な書き手の結集する拠点になっていきたい。サークル誌、同人誌、詩集、詩書関係の資料などを送って下さい。参考にさせていただ<ばかりでなく、できるかぎり誌上にとりあげます。 同人は五四人、〈詩人会議〉は毎月五日発行。第一号は、できのわるい雑誌になったかもしれませんが、ともかくここから出発しま す。よろしく。(赤木三郎)
詩人会議・創刊号一九六三年一月 編集発行人・壺井繁治・編集室・赤木三郎・浅尾忠男・市川清・大島博光・小田切清光・門倉詇・佐藤文夫・坂井徳三・城侑・壺井繁治・土井大助・西杉夫 印刷人・大橋忠治・印刷所・東銀座印刷出版株式会社 発行所・東京都文京区林町九ニ・詩人会議グループ 編集室・中野区鷺宮ニノ七八六壺井方 発売元・東京都文京区林町九ニ・三井出版販売株式会社・電話九八三の七九六八番