2023年2月号 特集 海外詩
特集 海外詩
中 国
コロナ禍と中国の詩人たち 石子順
韓 国
朝鮮半島の平和を願う詩人たち 佐川亜紀
英 国
シェイクスピア『ジュリアス・シーザー』に見る戦争と平和 水崎野里子
パレスチナ
詩人ダルウィーシュを生んだパレスチナ 長沢美抄子
創立60周年記念 新春作品特集
井坂洋子 耳を落とす
田島廣子 かぼちゃ
岡野絵里子 航跡
丸山乃里子 その声は
甲田四郎 汽車に乗りたい
奥田史郎 成人は何歳がいい?
佐藤モニカ 啓示
北島理恵子 路地
あさぎとち さらさら川
北村真 青空の真下で
村田多惠子 静かな午後
神流里子 幸せな時間
田辺修 響香新春
小田凉子 四つ葉のクローバー
山崎由紀子 女性たちの群像劇「らんたん」
あべふみこ 父の恩給
飯泉昌子 学生街
佐伯徹夫 屁から平和を
杉本一男 言葉のつぶて
斗沢テルオ 一年で一番嫌いな日
いだ・むつつぎ 真冬の青虫よ
清野裕子 郊外電車
荒川洋治 若い部屋
山崎佳代子 長期予報
雨野小夜美 青い聖域
大西はな 夢
西明寺多賀子 午後四時の空
榊次郎 変貌して行く街
佐相憲一 いま
小泉克弥 千年も万年も
高細玄一 水母の妄想
三村あきら 自然と共存を
乾葉子 黒い瞳の少年
坂杜宇 どんな時でも
野川ありき 新しい年
春山房子 茜色
くらやまこういち 玄関
勝嶋啓太 空っぽ
御供文範 ぼんやりの時間
浜本はつえ 収穫の秋
後藤光治 「令和」初期総括
狭間孝 オリーブの樹
河合恒生 クリスタル クリスタル
河合政信 わたしは悪くない いいね いいね
歴代運営委員長論
笑いの好きな誠実な反権力詩人・壺井繁治 三浦健治
詩人会議と私
呉屋比呂志 佐伯徹夫
榊次郎 坂田トヨ子
私の推す一篇 2023年1月号
見る・聞く・歩く 南浜伊作
ひうちいし
中上哲夫/齋藤貢/青井耿子/栁原久美夫/清水真理/ねなしかづら/山本萠
いわじろう小詩集
先先先……/お花見会/脊椎分離症/足元から見上げて
詩作案内
わたしの好きな詩 村上昭夫 宍戸ひろゆき
詩作入門
言葉の重さというもの 石関みち子
現代詩時評
抜け目ないAIとつきあうには 立原直人
詩 集 評
怪談話やダジャレの奥にある、社会や人生を見つめる、詩人としての確かな《知性》 勝嶋啓太
詩 誌 評
よい詩を探そう 野口やよい
グループ詩誌評
温かいまなざしの先にあるもの あらきひかる
自由のひろば (選・中村明美/南浜伊作/坂田トヨ子)
cofumi/加澄ひろし/天王谷一/木崎善夫/有原悠二
/大木武則/大野美波/植田文隆/橋本敦士/落合郁夫
寄贈詩誌・詩書
詩人会議通信
読者会報告 1月号 芝原靖
詩の実作教室手引
●表紙/扉カット/表紙のことば 冨田憲二
編集手帳
60周年記念詩華集応募要項
●詩作品
かぼちゃ 田島廣子
野菜畑は てんとう虫 蜜蜂 蝶が
飛び回り 止まって蜜を吸う
受粉させてくれて 実がなる
かぼちゃの花が咲いて 可愛い実をつけたが
薄茶色になり実が腐り 落ちた
一人の女が 優しく抱かれるように
畑の 隣りのおっちゃんがやってきて
雌蕊に雄蕊の花粉を ちょんちょんした
かぼちゃの実が緑色に近づいてきて
大きくなり 重たいかぼちゃを抱いた
自転車の籠で かぼちゃは暴れている
ゴロン ゴロン ゴロゴロ
私が 踊りを踊っているかのようだ
東京の彼に小包にした
ほっこりとして甘いかぼちゃです
●編集手帳
☆今号は海外詩特集です。石子順、佐川亜紀、水崎野里子、長沢美抄子、各氏にご執筆いただきました。収束の見えないコロナ禍、ロシアが起こした戦争、歴史的課題である朝鮮半島の分断、パレスチナ難民問題などを反映し、世界は暗い影に覆われています。それらに抗する詩人たちと共同し、私たちも連帯の声を発していかなければと思っています。政府が突如閣議決定した「安保三文書」の撤回を求め、緊急の声明文を発信しました。
☆新春作品は引き続き会外から、井坂洋子、岡野絵里子、荒川洋治氏をはじめ、六名の方より玉稿をお寄せいただきました。心よりお礼申し上げます。
☆本誌は詩を豊かにし、人間の内にあるよきものを育てていくことを目指しています。詩作品と併せ、新たに「詩人会議と私」、アンケート「私にとっての批評」を募集しますので、意欲溢れる参加をお待ちしています。また創刊60周年記念・歴代運営委員長の仕事を振り返る詩人論が始まりました。第一回は壷井繁治論です。ご精読ください。(柴田三吉)