2021年11月号 特集 風水害

2021年11月号 特集 風水害

●目次

特集 風水害

佐々木洋一 土のう
千葉昌秋 球磨川べりの村落を思う
木村孝夫 夏が過ぎた
熊井三郎 レッドサラマンダー
みもとけいこ ニュータウンという名の住宅街
浦西登 樹
斎藤彰吾 祈りの花
白永一平 砂漠くる庭
宇宿一成 主
田辺修 大気の川
杉本一男 屋根の上
田島廣子 死にたくない命
池澤眞一 池は水田であった
小林その 雹が降る
出木みつる 茸の道
山野次朗 アメンボウ
水崎野里子 追悼・熱海での豪雨と地滑りの被害者へ
秋野かよ子 どうすればよかったのだ…
目次ゆきこ 雨のこと
永井秀次郎 夏の雨
山口賢 人災
前田新 哀悼
永山絹枝 密やかに そっと守りぬくために
春山房子 人新世
かわかみよしこ 日本一安全で暮らしやすいところ
佐藤誠二 良かれと思いしことが
魚津かずこ われら、ノマド
玄原冬子 ゆびきり
北村真 人形
都月次郎 じゃぱああーん
瀬野とし 下草
いいむらすず 雑巾

エッセイ
熱海の土石流で実感する地球の気候危機  桜井国俊
「復興五輪」どごさ消えだ?  照井良平
「人生の秋」を迎えている一人の在日同胞として  徐京植

写真 しんぶん赤旗

四國五郎 戦争詩 未発表作品

今の現実をどう表現するか
風野真季
池田久雄
いわじろう
たなかすみえ
呉屋比呂志

追悼 文ちゃんのこと  秋村宏

書評 佐々木洋一 草野信子詩集『母の店』
勝嶋啓太詩集『向こうの空に虹が出ていた』

ひうちいし いだ・むつつぎ 宍戸ひろゆき 宇宿一成 いいむらすず

見る・聞く・歩く 瀬野とし

私の推す一篇 2021年10月号

檀允心実小詩集  鱗粉/運命以上/忘れ形見

詩作案内 わたしの好きな詩 大﨑博澄  奈木丈

詩作入門 父の本棚に  松田研之

現代詩時評 この期に及んでまだコロナとは 立原直人
詩  集  評 無限の表情を創ることばのならび 田辺修
詩  誌  評 深く拡がりのある「意味」の創出 後藤光治
グループ詩誌評 コロナ禍で営まれる日々の暮らしから 上岡ひとみ

自由のひろば (選・都月次郎/おおむらたかじ/草野信子)
御供文範/新見かずこ/壱貫亨治/のざきつねお
/佐藤一恵/立会川二郎/和田平司/橋本敦士

寄贈詩誌・詩書
詩人会議グループ一覧
詩人会議通信
読者会報告 10月号 芝原靖

●表紙/扉カット/表紙のことば 宮本能成
編集手帳


●詩作品

土のう  佐々木洋一

大水が出ると
どこからともなく土のうが復活する

どう考えて見ても
今風ではなく
なつかしい言葉のお手本だ

土のうを積み上げ
出水を防ぐというやり方も
なぜか古めかしい手法だ

何から何まで新しく
効率を求める昨今にあって
むかしからのやり方に
緊急事態とはとても思えない
大様さだ

命に影響のない大水は
だから何となく
胸さわぎがする

他人事のようだが
土のうを積み上げ
防げなかった泥水の中を
じゃぶじゃぶ徘徊する

大水が出ると
土のうがほどほど活躍し
文明崩壊への微妙な歯止めが復活する


●編集手帳

☆今号は「風水害」の特集です。近年、台風が大型になり、被害も大きくなっています。「他人事のようだが/土のうを積み上げ/防げなかった泥水の中を/じゃぶじゃぶ徘徊する」(佐々木洋一)というのが、多くの人の実感ではないでしょうか。
地球温暖化という危機が原因であり、その対策を求めて、若者たちが世界各地で行動を起こしています。それは経済的利潤を求める体制を、どう説得していかれるかのたたかいでもあります。
☆「今の現実をどう表現するか」の詩論(19人)が終わりました。その違い、独自さが読みとれました。また異なったかたちでつづけたいものです。
☆菅義偉首相が八月、自民党総裁選不出馬を発表。安倍前首相の傀儡政権だといわれましたが、新総裁には岸田文雄が選ばれ、これも安倍、麻生の傀儡政権だといわれています。それにしても、マスメディアは、大騒ぎして総裁選を伝えるだけで、国民が知りたい真相を伝えようとしません。なさけない。(秋村宏)

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