2025年8月号 特集 戦後80年 明日へ
特集 戦後80年 明日へ
妹背たかし 八十歳のきみへ
草野信子 タイトル
佐川亜紀 混ぜご飯 6
上手宰 誰が運ぶだろう
うえじょう晶 未来への証言
いいむらすず 80年目 沖縄の夏
狭間孝 ○○
青木みつお 名前
永冨衛 父の八月十五日。
野口やよい 十四歳
南浜伊作 道端の菰被り
柴田三吉 戦災樹木
熊井三郎 特番トラトラトラ
宇宿一成 小浜島で
田辺修 これから
木村孝夫 もしかすると
■寄稿作品
石川逸子 12万人《避難》
河津聖恵 鏡
冨岡悦子 果樹と 風と 約束の明日
沢田敏子 シャドウ・ライフ
中上哲夫 Walk Tall
中原道夫 スズラン
網谷厚子 さりながら
青木由弥子 アンリ・ルソーの「戦争」によせて
エッセイ
音が するのだった 玉川侑香
涙の告白を無にしないために 坂井勝
香子さんの声 中村純
教育と教師の責任を生きる「曖光二十年」――石田明さんを語る 池田正彦
ルポルタージュ 娘たちと安心して生活できる日を 宮島牧人 57
一般詩作品
中村明美 傷を覆うもの
横山ゆみ 極東の別荘
北村真 遮光
照井良平 明日への立て札
斗沢テルオ 46億年の一瞬
清水マサ 青春の日に
春山房子 夜の青春
有元力男 旅立ち
渋谷卓男 仮定法
見る・聞く・歩く 熊井三郎
後藤光治
うえじょう晶
ひうちいし 田畑悦子 中村明美 佐藤一秋 米原幸雄 疋田憲雄 原圭治 桜井くに子 眞峰麻美子
坂杜宇小詩集 佐智子
私の推す一篇
エミリ・ディキンスンの詩を読む⑦ 石がつなぐ相似な世界――ディキンスンと宮沢賢治 魚津かずこ
詩作案内 わたしの好きな詩 大関松三郎 伊藤眞司
詩作入門 老春真っ只中 今が一番しあわせ わたなべとしえ
現代詩時評 詩が表現する現代 宇宿一成
詩 集 評 暮らしの中の言葉たちの輝き あらきひかる
詩 誌 評 慕わしきいのち 白石小瓶
グループ詩誌評 思いをつなぐ 青木春菜
自由のひろば (選・渋谷卓男/中村明美/横山ゆみ)
藍眞澄/有原野分/大今滝路/石木充子/やまくま/
三明十種/山根信良/橋本敦士/清水ひさし
新基地建設反対名護共同センターニュース
寄贈詩誌詩書
詩人会議グループ一覧
詩人会議通信
表紙/扉カット/表紙のことば 中島和弘
編集手帳
●詩作品
八十歳のきみへ 妹背たかし
ぼくは 今年八月で八十一歳
きみは 戦後八十年
一歳違いだけど
きみが掲げた憲法の下
人を殺すことも殺されることもなく
ぼくは 平和に ゆるゆると生きてきた
しかし
最近、昭和百年ということばに便乗して
戦前の昭和の
どす黒い風が吹きつつあることを
きみは知っているかい
日本列島は戦争のために要塞化しつつあるし
とうとう
沖縄の「ひめゆりの塔」は
「歴史の書き換え」という輩まで出てきた
昭和を名乗ったご本人は
戦争で 多くの国民に死と苦しみを与えたことを
謝罪することなく亡くなったが
きみは
八十とは言わず
無傷で長生きしてほしい
ぼくも
硬膜下血腫を乗り越え
何とかして命をつなぎ
きみを支え続けたい
●編集手帳
☆平和憲法が今日まで護られてきたのは戦争の悲惨、侵略の過ちを忘れない人々がいて、その思いを形にして闘ってきたからです。これに対し右派勢力は自虐史観を持ち出し、歴史の書き換え、憲法改悪を目論んできました。五月三日、西田昌司参院議員が沖縄の講演で「ひめゆりの塔の記述は歴史の書き換えだ」と発言したことも、確信犯的な嘘の一つです。
☆自虐史観とは逆の意味で、歴史は常に見直しが必要です。日本の侵略戦争の過ちを問い続け、そこに欠けているものを補い、平和への決意を確かにしていくところに意義があります。そのためには過去を学び、埋もれた真実を掘り起こすことが大切でしょう。今号はそうした視点から、五名の方にエッセイをお願いしました。いま戦争を視野に軍拡を進める国に対し、民衆の歴史を詳らかにすることで明日は切り開かれるのです。
☆六月八日・九日、奥浜名湖での「全国運営委員会」は熱気に溢れ、詩人会議の明日を語り合う場となりました。次号に詳細を掲載します。(柴田三吉)