アピール

第二回全国運営委員会アピール

第二回全国運営委員会アピール

私たち詩人会議は、昨年、第三一回総会「言葉の真の力を発揮しよう!」を持ち、一年が経過した五月二七、二八の両日、静岡県伊豆の国市(KKR伊豆長岡千歳荘)において第二回全国運営委員会を開催しました。
被爆・戦後七三年、阪神淡路大震災二三年、東日本大震災・福島原発事故七年、沖縄復帰四六年の年、二〇一八年。六年目になる安倍政権の驕りは目に余るものがあります。「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」という民主主義の根幹を破壊しようとしています。加計、森友、自衛隊イラク日報問題をはじめ、事実を隠蔽するためにウソを撒き散らしています。これほどウソのことばを好んだ政権はないでしょう。
そのことばを使って、戦争放棄の憲法九条を死文化し、自衛隊が海外で戦争する道をつけようとしています。それは「軍事の論理」が優先する社会をつくることを意味しています。そこには国家が個人を統制する戦前への願望がみえ、言論、表現の自由は奪われていくでしょう。
いまでも国際NGO(国境なき記者団)が発表した「報道の自由度」ランキングでは、わが国は67位(’18年。180か国)です。特定秘密保護法(’14年12月施行)や政府の圧力による、メディアの自主規制が指摘されています。
また、「世界経済フォーラム」の報告書では、わが国の男女格差は、144か国中で114位(’12年101位)です。ここでは政、官のセクハラ問題が数多く起こり、それに対する抗議の声がひろがっています。
さらに「働き方改革」(ことば本来の意味としては「働かせ方」というべきではないか)と称する政府の法案は「過労死合法化」であり、労働者の長時間労働を維持しようとする資本の論理が透けてみえます。
私たちはそれらの現実のなかで、どのような声を出すかを問われています。「純粋に詩の世界を描く」などという詩人のおもいをきくと、詩がガラス張りのなかにいる人のつぶやきに思えてなりません。
世界は、自国の利益を、戦争、核兵器で競り合っています。私たちはアジアの国々を侵略した歴史(朝鮮半島、中国全土、東南アジアほか2千万人以上の犠牲)をもち、その反省からの「戦争をしない」は私たちの重い遺産です。
朝鮮半島、シリア、エルサレムほかの戦乱を止めることができるのは、大国の指導者の利益ではなく、民衆の「平和」への心です。そのおもいによって、世界の民衆が手をつなぎ、力をだせるのではないでしょうか。
会は、会員の高齢化や財政の困難という問題をかかえながらも、会員、会友、の詩を愛し、会を存続させたいという情熱によって、運動を進めてきました。創立56年のバックナンバーには、その足跡が刻まれています。
私たちにできることはなんでしょう? そのことを個々自らに問うことが必要ではないでしょうか。いま、「すべて国民は、個人として尊重される。」(憲法第十三条)ことを心に刻むべきです。マスメディアによって流される情報に従っている意識に異を唱えるべきです。「迎合」は詩作にない精神です。私たちの会は、例えば沖縄を、自然を、政情ほかを追求するなど、多様な主題をもつ人によって成り立っています。
事実を見極め、その奥にある「本質」を探っていこうではありませんか。会にいるからこそできる、という刺激をあたえあっていこうではありませんか。
私たちの明日を、きびしく、明るい世界にしていきましょう。

二〇一八年五月二七日
詩人会議第三一回総会第二回全国運営委員会

詩人会議第32回総会アピール

  私たち詩人会議は2019年5月26、27日の両日、東京・シーサイドホテル江戸川を会場に、創立57年目を迎えての第32回総会をもちました。

  詩人会議はいまさまざまな困難に直面していること、それを克服するために力をだしあう決意を新たにしました。

  この間、全国の会員、会友ほかのみなさんの活動により、たえず新入会員を迎えてきていますが、創立時のメンバーもずいぶん亡くなり、年齢、病気、経済事情などからの退会者が、上回っているのが実情です。そしていま、常任運営委員の運動の実務をになっていく難しさ、という、二つの大きな問題に直面しています。

  昨年、財政の困難への訴えに対する多くの方々の熱いおもいをしりましたが、さらに実務の現状をふくめて話しあわれ、今後の課題が残りました。

  私たちは、つねに“創造上の傾向や方法のちがいをこえ、平和と進歩、民主主義を指向する共通の立場に立って、運動をすすめ“、日本の詩の歴史にない長い年月、社会と個の結びつきを追求し、会外の多くの方々の信頼をえてきました。この詩運動をさらに強固にし、広めていくことができるか。全国各地の会員がその体験を交えて討論しました。

  いま、地球的規模で、気候の変動、自然、社会、いきものたち、生命の危機があり、わが国では、言論、表現の自由に干渉し、憲法九条を改悪して「戦争のできる国」にしようとする政権が、庶民の暮らしを圧迫しています。

  それらの現実と対峙する私たちの詩運動が、ますます重要になっています。私たちの困難も、暮らしのなかで訴えたい言葉をもつ詩の書き手や愛好者を一人でも多く迎え入れることによって乗り切りたい、と強く思います。

  一人ひとりが自分でできることはなにかを考え、それぞれの力を発揮しましょう。それらの、自由で、多様な発言、創作、想像力が人と人とをむすびつけるのです。

  共に支えあい、詩運動の未来を切り開いていきましょう。

2019年5月26、27日

詩人会議第32回総会